ここは何処なんだろう?

どうして私はこんなところにいるの?

青い水の中で一人ぼっち……。

でも声が聞こえた。

聞き覚えのある懐かしい声が──

でも……それが誰なのか思い出せない。

知っているはずなのに分からない。

私は自分の手を動かしてみる。

そして目を開く。

虹色かかった不思議な瞳が目の前の景色をぼやかせる。

『まだよく見えない……』

自分の肩先くらいまである紅い髪に触れてみる。

『こんなに髪長かったんだね……』

私は自分の体を見回す。

そして何も着ていないことに気づき、服は何処にあるのかと考える。

『この空間から、出られるのかな?』

辺りを見回す。

すると頭上に大きな扉があるのが見える。

『あそこから出られるのかな?』

私はその扉に向かって泳ぐ。

『あの扉の向こうには何が待ってるのかな?』

私は扉に手を当てる。

扉、ゆっくりと開き始める。

『そうだ私の名前は……』

私はそこで思い出した。

『私の名前は──シンク』

扉から光が発せられ私は光に包み込まれた。