薄暗い中、缶のココアが温もりだけを感じる。 そこから意識を変えれば、街頭の中志貴が私を見ているのが分かる。 「ありがとう。 ありがたくいただいときます」 息を吐けば白くなるくらい寒くなってきた今日この頃。 だけど、心と手は温かい。 すごくポカポカしている。 「どうぞ。 でも、その代わり……」 その続きは言わなかった。 そこで察してしまったんだ。 さっき私を置いて1人で買いに行った理由。 「しょうもない」 「うん」 「子供だね」 「うん」