これはダメ、だ……。 「耳、弱いんだ」 私も今知った。 耳はダメ。 入谷くんから離れようとすると、突然耳を甘噛みされた。 「っ……」 「ほんとかわいすぎてどうしよう。 楽しい」 「バカ。最低。嫌い」 私のことおもちゃとしてしか思っていない。 だってまるで子どもだもん。 嫌がってる私の耳をもう一度噛む。 耳なんて噛む場所じゃないでしょ! 耳は聞くとこだよ! 声とか音とか! 「もう離れる!」