「伊都ちゃん!夏休みどっか行かない?」


なんとなく来るような気はしていた。

入谷くんは毎日のように声をかけてくるから。




「行かないよ」


「俺、伊都ちゃん不足になるじゃん」


「そんなのないから」


「あるし。じゃあ、祭り!祭りだけでいいから!」



祭りは歩美ちゃんと……って歩美ちゃんは彼氏と行くのかな?

私1人!?


んー、どうしよっか。



考えながら歩いていると、京ちゃんの姿を発見。


後ろ姿だけど、すぐに分かる。




「京ちゃんだ!」


思わず追いかけようとして、足を止める。

隣には女の子。


しかも私と同じクラスのひろちゃん。