皆さんとお会いして一週間が経った



この一週間で変わったことと言えば斎藤さんと一緒にいることが多くなった。今では山南さんと出来る限り一緒に過ごしてたが、山南さんと過ごせない日は斎藤さんといる




「月、今日は何の話をしようか。」




斎藤さんは他の方たちと違って私に対しての呼び方が違う。それに、斎藤は人には見えざらぬモノが見えるらしい




(斎藤さんって変わってるお方です…。)




「月?聞いてるのか?」




「え?あ、はい。今日は……、」




言葉が詰まった




(どうしましょう。お話してもらうお題がありません…。)





色んな方からお話を伺いすぎて何を聞いていいのか分からなくなった




悩む私を見かねた斎藤さんはそっと笑みを零した




「なら、今日は妖について話そうか?」




「はい!お願いします!」




「妖と人間の違いについてまず話そうか。まず、人間はとても脆く怪我をすれば何日、何ヶ月もかかってようやく大半治る。病気にかかれば最悪の場合死んでしまう。基本的に寿命は80年も生きればもう限界だ。一方妖はだな、とても丈夫で長生きだ。怪我をしてもすぐ治るし、病院なんて一切かからない。ここまでいいか?」




返事をする代わりに私は斎藤さんに頷いた