憑代の柩

「実は、貴方があづささんに横恋慕してて」

「ない」

「早過ぎですよ」
と眉をひそめた。

 だが、
「好みじゃない」
と要は言い切る。

 私は、顎に手をやり、
「そうですかねえ?」
と呟いた。

「お前は、何故、あづさが私の好みだと思うんだ?」

「まあ、ちょっと根拠があります」
と言ってやると、不気味そうな顔をして、こちらを見ていたが、すぐに、

「お前の世迷い言を聞いているほど、暇じゃない」
と言い出す。

「本題に入るが、大学は昼からだろう。

 今から、健康診断に来るように」

 そう言い終えると、要はもう勝手に歩き出していた。

「あの、ちょっと!

 私、何も支度してないんですけどっ」