憑代の柩

「犯人の手がかりがない今、その役を押し付けるのに、お前がうってつけの人物だってことだな」

「あのー、私、生き返ってもいいですかね?」

 腕を組んだまま、駄目だろう、と言う。

「元の顔に戻して、適当な理由をこじつけて生き返らせてやってもいいが。

 お前が訴えたところで、誰か聞くんだ?

 おお、出て来たと喜び勇んだ警察に逮捕されるだけだ。

 今の日本では、警察が犯人だと決めた奴が犯人なんだよ」 

 そんな莫迦な。

 でも、そうかもな、と思った。

「だから、お前がお前の無実を証明するには、真犯人をおびき出すのが一番なんだ。

 ともかく、無駄に警察とは接触するな。

 お前の言動はなんだかそれだけで怪しいからな」
と失礼なことを言う。

「兼平さんもですか」
と言うと、

「あいつはあれから来たか」
と訊いてくる。