憑代の柩

 


 スーパーで買って来たお惣菜を並べるのを、衛は物珍しそうに見ていた。

「ほらほら。
 世の中にはこんな便利なものがあるんですよ~」
と言うと、

「あったのは知ってる」
と衛は少し怒ったように言う。

「しかし、食べたことはない」

 そりゃそうかもな、と思った。

「それはそれで、寂しい人生な気がしますね」
と言うと、衛は、ふっと笑い、

「負け惜しみか」
と言った。

「そうですかね。
 貴方自身が、物質的に満たされた生活に満足しているようには見えませんが」

 衛が黙る。

 ああ、言わない方がよかったか。

 せっかくの和やかな夕食が、と思いながら、話題を切り替えた。