憑代の柩

「ありがとうございます、というとこですかね?

 でも、そんなにバレバレじゃ困りましたね。

 他の人にもバレますかね?

 っていうか、貴女が犯人だったら、最悪ですね」

「私じゃないって言ってるでしょう?」
と麻紀は眉をひそめたが、そこに先程までの険はなかった。

「なんで私があづさなんかのために手を汚さなきゃいけないのよ」
と言う彼女に、

「いや、この場合、衛さんのため、ってことになるんじゃないですか?」
と答える。

「あづささんに対して、不信感を抱いてらしたんでしょう?」

「衛のためにも厭よ。
 あづさは怪しい女だった。

 だけど、私じゃなく、あんな女を選んだ衛のために、そこまでしてやる義理はないわ」

「好きなのに?」

「私はもう何年も前に振られてるの!」
と噛み付くように言ってくる。