憑代の柩

「なんだか一心不乱にガサガサやってます。

 あづささんが居ないときに、そのポーチ、ちょっと探してみたんですが、今、此処にはないようですね」

 衛にその形状を伝え、心当たりはないかと訊いてみたが、ないと言う。

 まあ、この男、女の持ち物になんか注意を払ってそうにもないが、と思ったが。

「洗面所があづささんで、首絞めたのは――

 うーん。
 誰なんでしょうね。

 あっちも顔わからなかったので、意外と、あづささんだったりして」

「何故、あづさがお前の首を絞めてくる?」

「爆死させた私を恨んで出てきたとか」

 馬鹿馬鹿しい、と衛は一言で吐き捨てる。


「いや、わかんないじゃないですか。

 ああ、あづささんは、人を恨むような人ではなかったと言うのなら、そうかもしれませんが」

 そう言うと、衛は、さあ、どうだろうな、と言う。

「どうだろうなって」

「そういうとき、どいういう行動をとる人間だったかなんてわからないと言ったんだ」

「待ってくださいよ。
 貴方の婚約者でしょう?」

 それも、周囲の反対を押し切ってまで学生結婚しようとしていた相手のはずだ。