憑代の柩

「あづさの部屋で、あづさの顔だからか?

 いや、待て。

 霊が外見に騙されるものなのか?」

「知りませんよ。
 なったことないですから、霊」

 そこで気づいたように衛は言った。

「ちょっと待て。

 お前、霊が見えるのなら、あづさの霊も見えるんじゃないのか?」

 それなんですけど、と眉根を寄せる。

「そこの洗面所にずっと人が立ってるんですよ。

 俯き気味なので、顔はよく見えないんですが。

 あれ、あづささんなんですかね?

 今の私と、背格好と髪型が似てますが」

 衛は少し考え
「あづさは何をしている?」
と訊いてきた。

「ポーチの中を漁っています」

「ポーチの中?」