憑代の柩

「いろいろあったか知らないが、結婚を決断したのはあんただろうに」
と威は言う。

 つまらん話だ、というように、真澄から手を離した。

「私は何も後悔していない。

 愛してもいない妻になじられようと、小莫迦にされようと。

 兄貴を見返すだけの金と権力を手に入れるために、私は頑張ったんだ。

 誰にも恥ずかしいところなどないし、後悔もしない」

 言い切る威を、いっそ、気持ちがいいな、と思いながら見ていた。