「だって、今でも屋敷の中や病院を貴女を探して、ウロウロしてますよ。
事の発端は私のことだったんで、一応、謝っておきましたけど」
あの日、ドアを開けたら、真澄が夫を渓谷に張り出したデッキから突き飛ばしたところだった。
慌てて、後を追って、飛び込む。
『ちょっと!』
と叫んだ真澄の声が水に落ちる前、聞こえた。
ちょっと、どうなのだろうな、と思った。
夫を助けるなという意味だったのか、それとも、無謀にも飛び込んだ私を止めようとしたのか。
そもそも、あれもどうなんだか。
本当に、衛に再び近づいた私を止めようと首を絞めてきたのか。
父親を殺した一件で、口封じをしようとしてきたのか。
あのとき、要に私にトドメを刺すよう、命じた理由もまた同じだ。
結局は、衛に対する口封じで。
もしも、私があのあと、衛と付き合っても、大抵の姑のように許してくれたのか。
ま、それはないか、と溜息をつく。
どのみち、この男が居るかぎり、私に衛と歩む道など残されてはいない、と要を見上げると、察したようにこちらを見た。
事の発端は私のことだったんで、一応、謝っておきましたけど」
あの日、ドアを開けたら、真澄が夫を渓谷に張り出したデッキから突き飛ばしたところだった。
慌てて、後を追って、飛び込む。
『ちょっと!』
と叫んだ真澄の声が水に落ちる前、聞こえた。
ちょっと、どうなのだろうな、と思った。
夫を助けるなという意味だったのか、それとも、無謀にも飛び込んだ私を止めようとしたのか。
そもそも、あれもどうなんだか。
本当に、衛に再び近づいた私を止めようと首を絞めてきたのか。
父親を殺した一件で、口封じをしようとしてきたのか。
あのとき、要に私にトドメを刺すよう、命じた理由もまた同じだ。
結局は、衛に対する口封じで。
もしも、私があのあと、衛と付き合っても、大抵の姑のように許してくれたのか。
ま、それはないか、と溜息をつく。
どのみち、この男が居るかぎり、私に衛と歩む道など残されてはいない、と要を見上げると、察したようにこちらを見た。



