憑代の柩

 


 兼平が仲間に連絡し、爆弾は処理され、あづさも連行された。

 要は思ったより軽傷だったので、タフなことに、自分で応急処置をしている。

 ぼんやりそれを眺めていた私の後ろで、真澄が激しくわめき立てていた。

「なんなのこれは!?

 なんの騒ぎなの!?

 なんで、御剣がこんなことに巻き込まれなきゃいけないのっ。

 あんたのせいよ、この売女!

 最初に顔を見たときから厭な予感がしてたのよっ。

 人の良さそうな顔をしてっ」

「さすが母親ですね」
と要が呟く。

「貴女には、衛の好みがわかってたんですよね。

 自分とは正反対の女だと。

 だから、最初から馨を警戒していた」

 そこで終わっておけばよかったのに、と同情気味に言う。

「なに偉そうに言ってんのよっ。

 あんた人のこと言えるの!?

 この女を殺そうとしたのは、私に命じられたからじゃないでしょうっ。

 私の命令を言い訳にしただけ。

 あんたはこの女を殺したかったから、殺したのよっ」

「別に否定はしません」

 真澄を見下ろし、要はそう言い切った。