憑代の柩

 その提案は、馨の妹を死なせてしまい、落ち込んでいるこちらに気を使っているように思えなくもなかったが、何かが違う気もしていた。

 返事をしないでいるうちに、要は勝手に整形していたようで、もう見られる状態になったと告げてきた。

 顔だけ同じで、人は騙されるものなのだろうか。

 少なくとも、自分は奏に騙されはしなかった。

 そんなことを考えながら、病室の戸を開けた。

 本人は眠っていた。

 顔中に包帯が巻かれているし、腕にもまだガーゼが貼ってあった。

 だが、どきりとした。

「眠らせてあるんだ」
と非人道的なことを言ったあとで、要は包帯を解いてみせた。

 息を呑む。

 あづさとは違う。

 少し大人になった馨の顔がそこにあった。

 ファミレスで見たのと同じ顔だ。

 おかしいだろう。

 何故、成長させる必要がある。