憑代の柩

「御剣の医師です。
 軽傷者は私が運びます。

 うちの病棟は空き室があるので、他の方もそちらに」

「はいっ」

 受け入れ先を探さなくていいことに、彼らは安堵したようだった。

 生きているだろうとは思っていたが。

 何故、此処に。

 何故――

 衛の側に。

 そう思ったとき、薄く目を開けた馨が、

「……誰?」
と言った。

 その目ははっきりこちらを見ていた。

「此処は――

 なんだかわかんないけど、身体が痛い」

 そのまま、また苦しげに目を閉じてしまう。

 まさか……記憶がない?