憑代の柩

 軽くウェーブのついたセミロングの髪の女が洗面所の鏡の前に居る。

 白い洗面台の上に花柄の透けるようなポーチを開き、何かしているようだった。

 女はこちらにはまだ気づいていない。

 俯き、一生懸命、そのポーチの中だけを漁っている。

 彼女の前の鏡に映らない位置に身を置き、その姿を見つめていた。