憑代の柩

 


 俺のせいだ、そう呟いた自分を、馨は、先生、と呼び、見上げてきた。

 衛は、自分の母親が馨に何かするのではないかと疑っていた。

 だから、仕事絡みの依頼のついでに、彼女の様子も見て欲しいと頼まれていた。

 あの日、あの川縁で馨を助け、いつも物陰から見ているだけだった馨と、初めて口をきいた。

『貴方、衛が雇ってた探偵ね。

 お願い。
 彼には連絡しないで』

 そして、彼女は、名刺を頼りに自分の事務所を訪ねてきた。