憑代の柩

「なによ」
と麻紀が口を開いた。

「私が一番莫迦みたいじゃない。

 みんなわかってたんでしょう?

 本田も、要も、衛も!」

 私は彼女に向かい、微笑みかける。

「貴方が一番親身になってくれてたから。

 だから一生懸命過ぎて、気づかなかったんですよ」

 それらの話をあづさは小首を傾げるように聞いていた。

 こちらのやり取りが理解できないようだった。

 事実が、ではなく、感情的に。

 八代の彼女に関しての調査結果を見たとき、頭が良過ぎるが故に、常人と感情の向かう先が違うような感じを受けていた。

 そのとき、事態に付いていけずに、じっとしていた女が叫び出した。

「要っ!
 殺しなさいって言ったじゃないの、この女っ!

 あんたを裏切った女なのよっ。

 なんであんたが刺されるのよっ」

 今にも掴みかからんばかりだったが、威が腕をねじ上げてくれていたので、事なきを得た。

「人もですが。
 霊も騙せなかったようですね」
と私は呟く。