憑代の柩

 いや、警察だから、余計にか。

 自分は簡単に接触できたのだから。

 特に影響力もなさそうだからかな、と淋しく笑う。

「なんのために?
 その両親殺しでか。

 お前の説によると、今居るあづさと、そのときのあづさは別人なんだろう?

 あづさが人を殺していても、今居る彼女には関係ない」

「自殺ではなく、あづさを殺して入れ替わったのかもしれないじゃないですか」

「本気でそんなことを思っているのか」

「いえ」
と兼平は言った。

「だろうな」
と言い、車を出そうとする。

「要さんっ」
とまだ開いている窓から、ドアを掴もうとする。

「引っ付くな。
 殺人犯になるのはごめんだ」

「貴方は馨さんを殺してないんですよね?」

「デカイ声で、ロクでもないことをわめくな」

「結婚式、警察にガードさせてください」

「駄目だ。
 それじゃ、犯人が出て来ないかもしれない」

「花嫁がどうなってもいいんですかっ」