憑代の柩

「荷物を置いて来い。
 晩御飯くらいは付き合ってやる」

 衛はそんなことを言い出した。

「どうしたんですか?
 ちょっと優しい素振りなんか見せたりして」

と言うと、本当にお前は口の減らない、という目で見られる。

 この僕にそんな口をきく人間はそう居ない、と言う彼に、

「あづささんは――」
と言いかけ、あまり死者の話題を出すのもよくないかと思い直した。

「じゃ、入らせてもらいます」

 他人の居住区なので、一応、そう断り、あづさの部屋へと向かった。