憑代の柩

「ふん。
 例えば?」

「俺は、佐野あづさが整形していたことが気になって。

 あづさの過去を調べていたんです」

「余計なことをするなと言われたろう」

 警察はあまりこの件には関わらずに穏便に済ませたいようだった。

「あづさが御剣衛に近づきたいあまりに整形したと警察では解釈されていますが。

 俺はなんだか気になって。佐野あづさの両親が焼死した事件を調べてみたんです。

 彼女は、随分と追い詰められていたようですね。

 大学教授の両親を持って、常に優秀な成績を残すことを強いられていた。

 両親の死後、親族が遺産を掠め取ろうとされたこともあって、あづさは、親族と付き合いを断ったということになっていますが。

 もしかしたら、それが原因ではないのではないかと」

「どういう意味だ」

「別荘に放火したのは、彼女ではないかという意味です。

 あづさは、自分一人が、一階に水を飲みに下りていて助かったと言っていますが、二階にも洗面所があったようなんですよ」