憑代の柩

「……誰が馨を殺したって言った」

 流行が無言で視線をこちらに投げて寄越す。

 確かに先程、告白を聞いたが、あれから要とは離れていないので、流行がそう言うのは確実なフライングだ。

 はは、と苦笑いして、要を見上げる。

「いや、そうじゃないかな、と言っただけですよ」

「生きていた馨がファミレスでバイトしてたっていうのか」

「しかし、店長の話ではすぐに止めているようです。

 評判は良かったようですけどね」
と言うこちらを要が見る。

「僕が見たのは、生きていた馨さんだったんですかね」
と溜息をつく流行の言葉に、

「いや、馨のはずはない」
と要は言い、立ち上がった。

 そして、流行を見下ろし言った。

「わかったぞ。
 お前が無能な探偵だな」

「いや、あの……」