憑代の柩

「でも、衛さんが雇ってた探偵さんも消えちゃいましたしね」

「その探偵も、そこの押し入れに入ってたんだろ」
と指差され、流行が、ひっ、と身をすくめて振り返っていた。

 もちろん、その場合は、死体で、という意味だ。

「いや、実は流行さんが狙われる理由というのが、うち絡みかもしれないので、助けてみたんですが」

 そう言うと、流行は、関係なかったら助けなかったのか、という恨めしげな眼で見る。

「理由?」
と訊く要に、流行が答えていた。

「実は――

 此処からちょっと離れたファミレスの前で、佐野あづさを見たんです、昨日。

 佐野あづささんですか、とうっかり話しかけると、睨まれて」

「待て。
 どっちの佐野あづさの顔だ」

「……この顔です」

「何処のファミレスだ?」
と要が訊く。

 流行の説明に、珍しく要の表情が変わったように見えた。