憑代の柩

「衛さんが雇ってた探偵さんも消えたらしいですよ。

 相棒の人は、奏さんが真相に近づいた彼を殺したんじゃないかと疑っていたようでしたが」

「それで、二人か?

 佐野あづさも殺しているとしたら、三人だな。

 とんだ――」

 殺人鬼だ、と言おうとしたらしい言葉を要は止めた。

 要はロッカーに縋り、何事か考えている。

 目を閉じている顔は、彼こそが死人のように見えた。

 少し近づく。

 あの消毒薬の混ざったような匂いがした。

 目を開けた要は、そっと首に手を伸ばす。

 だが、触れたその手を、撫でるようにして肩まで下ろした。

 肩を掴まれたまま、その顔を見上げていると、要は身を屈め、口づけてくる。