憑代の柩

「なんでですか?」

「あいつ、自分一人が知ってる墓に行って、浸ってそうだろ?」

 そう言い、喉の奥で嗤う。

 まあ、それはさておき、と殺人の告白をさておいて、要はロッカーから身を起こした。

「秋川奏は人を殺していたのか。

 じゃあ、殺される理由はあるな」

「あの男を殺したせいで、爆弾を持ち込まれたと?

 奏一人を殺すのなら、もっと確実な方法があったと思いますが。

 花を置いて、その場を離れて、別の誰かが死ぬかもしれない」

 奏自身は自殺するつもりだったようだし。

 犯人はそのことを知っていたのだろうか。

「だが、奏はそれで死んでいる。

 どうかしたか?」

「いえ……」

 あの映像が頭に浮かぶ。

 薄く開けた戸口から、奏が顔を覗け、手を振って笑う。