憑代の柩

 


 まだ要と接触しないままだったので、私は地下へと降りた。

 霊安室の扉を開ける。

 奥のカーテンの向こうに、ロッカーのようなもがあった。

 遺体が収められる冷蔵庫のようなものらしい。

 街だと火葬場の順番待ちになったりするらしいし。

 日が悪くて、長く焼けないときもあるようだ。

 それ用かな、と思い、それらを眺めた。

 だが、此処に入るのは、ほとんど御剣の一族らしい。

 ならば、どちらかと言えば、大勢が来る葬儀の都合で此処に保存して置くのかもしれないが。

 そんなことを考えていたとき、

「開けない方がいいぞ」
という要の声がした。

「ちょっと見れたもんじゃない」

 要は、ひとつの扉の前に立つ。

「身寄りのない女の死体だ」

 その手が開けさせないよう、蓋を押さえる。

「『お前の死体』だ」
と要は言った。