憑代の柩

「……私は探偵ではありませんよ。

 でもまあ、ひとつまとめてみましょうか?

 衛さんは、奏さんが佐野あづさという名を使い、顔を変え、自分に近づいてきたのを知っていた。

 奏さんが貴方がたに復讐しようとしていたことも。

 で、疑問なんですが。

 奏は、なんで、ターゲットを貴方にしようと思ったんでしょうね?」

「僕が一番近づきやすかったからじゃないのか?

 当時はまだ、大学に通っていたし」

「それで、咲田馨と同じ顔に整形して、その反応を見た、と。

 でも、お言葉ですが、貴方の大学、入りやすくはないので、近づきやすくはなかったと思いますが。

 秋川奏は、そんなに頭、良かったんですか?」

「悪くはないが、そんなに良くもなかったようだ」

「それでよく通りましたね」

「まあ……死ぬ気で勉強したんじゃないか?」

 それで通るものだろうかな。

 衛もあまり勉強で苦労したことのない人間なので、此処のところは、ピンと来ないようだった。

「彼女は高校、大学に行くお金を何処から得ていたんでしょうね?」

「それがよくわからない」
と衛は首を捻る。