憑代の柩

 さっきの本田さんは、あづさに対する強い情熱を感じたし。

 キスなんて、漫画や小説なんかで語られるほど、いい行為でも、ロマンチックな行為でもないと思ってた。

 でも、誰かと口づけるたびに、少しずつ、感じ方が変わり、いつも何か新しいことがわかった。

 そういう意味で、意味のある行為だと思う。

 こういう言い方をすると、また誰かに怒られそうだけど。

 っていうか、今、この状況で、こんなことを考えていること事態が、恐らく――

 唇を離した衛に、囁くように言う。

「本田さんと、間接キスですよ」

「……やっぱり、お前は一度死ね」

「そう何度も死ねませんよ」
と笑って見せると、衛は呆れた顔をした。

「気になることがあるんです。
 ちょっと一緒に張ってみませんか?」