憑代の柩

 途中から興奮気味になった本田の手に、自らの手を重ねる。

 叫ぶのを止めた本田はひとつ息をついて、こちらを見た。

「教えてください。
 あづさは誰に殺されたんですか?」

 私は彼の肩を叩いた。

「本田さん、佐野あづさは恐らく――

 自殺するつもりだったんです」

 本田の顔が強張る。

「何か思い当たる節があるんですね?」

「少し、様子がおかしくて。

 いえ、結婚が決まってからずっとだったですけど。

 特に最近。

 それで、あの日」

 本田はかなり言うのを迷っているようだった。

「もしかして、此処に来るように言われました?

 前撮りの前の晩」

 本田は、びくり、として、手を離そうとする。