憑代の柩

 どういうことだ、という言葉が出なかった。

「待って。

 それ―― この子だよね?」

 唯一、あづさと撮ったゼミ旅行の写真を見せる。

 手にとった彼は、

「ああ、そう。
 この子。

 俺、結構タイプだったからよく覚えてるよ。

 苦しそうだったから、どっか怪我してたんだろうけど。

 見たところ、何処も。

 ああでも、ドレスが身体覆ってたからなあ。

 まあ、助かったんだから良かったじゃん。

 死んだ花屋さんとか、怪我した美容師さんとかは可哀想だったけど。

 あ、花屋の女が犯人だったんだっけ?

 あれはどう見ても助からないと思ったけどね。

 控え室の中に居たようだし」

 何処から質問していいのかわからないくらい、頭が混乱していた。