憑代の柩

 ということは、こいつらは、非日常ってわけだな、と思いながら、要をちらと見ると、彼は、

「じゃあ、私は席を外しましょう。

 兼平さん、くれぐれも無理をさせないようにしてください」
とその男に言った。

 こちらを振り返り、

「刑事さんだ」
と嘘くさい笑みを見せる。

 突然、手首の脈を診る振りをして私に近づき、小声で囁く。

「衛の高校の同級生だ」

 すぐに離れた。

 普通なら、だから、気を許しても大丈夫、という意味なのだろうが。

 その口調も表情も、だから、気をつけろ、という風に取れた。

 衛と同じ高校ってことは、頭もいいのか。

 要注意、と上目遣いに窺いながら、ぺこりと頭を下げた。