憑代の柩

「あれ、私を絞めてるのかなあ」

「あんたの首が苦しけりゃ、あんたが絞められてるんでしょうよっ」

 悲鳴まじりに麻紀が叫ぶ。

「えーと……」
とこちらを見て、本田が止まる。

「名前、なんでしたっけ?」

「ああ。
 本当の名前ですか?

 あづさでいいですよ。

 本田さんには不快でしょうが。

 本名で呼んでると、うっかり他で呼んじゃいますからね」

 そんな話をしている間、麻紀がじっとこっちを見ていた。

「あんたとずっと居るの、不審に思われてるわ。

 親戚になるんだから、少しは馴れ合ってた方がいいかと思ってと言ってはいるけど」

「じゃあ、離れますか」
と言うと、私、あんまり友達居ないのよ、と麻紀は言う。

「なんででしょうね?」

 自分からすれば、麻紀は、攻撃的ではあるが、ピュアな部分もあるせいか、反応が面白く、付き合いやすい人間なのだが。