憑代の柩

「さっきの話なんですけど。

 誰にでも疑いは抱けるっていう。

 貴方でも、麻紀さんでも、貴方のお母様でも、要先生でも」

「要?」

「要先生があづささんを好きだったってことはないですか?」

「ないな」

「即答ですね。
 先生と同じですね」

「あれがあづさを好きというのはないな。

 だが――」
と彼はそこで言葉を止める。

「何か根拠はあるのか。

 この間もおかしなことを言っていたが」

「いえ、別に。
 ところで、兼平さんは、どうお考えなんでしょうね」

「何かまだコソコソ調べてるらしいがな」

「コソコソって。
 警察ですから、私たちと違って、おおっぴらに調べてると思いますよ。

 ああ、そうだ。

 調べると言えば、もう一人、犯人の可能性がある人が居ますよね」

「誰だ?」