憑代の柩

「持って行け。
 あっても目障りだ」

「いらない羽衣なら、焼きゃいいじゃないですか」

「いらなきゃ焼きゃいいって。

 もう邪魔なら、爆破すればいい、みたいだな」

「なんですか、それ。
 やっぱり私が犯人だとでも?」

「さあな。
 それだけでいいか? 消すぞ」
と壁のスイッチのところに立っている。

「ああっ、もうっ。
 待ってくださいよっ」

 慌てて部屋を出た。

「真っ暗にはならないぞ。
 廊下の灯りがあるだろうが」

「そうなんですけど。
 この屋敷の中で暗いの、なんか厭なんですよ」

「衛の母親が化けて出そうだからか」
と笑う。

「化けてって――
 死んでないでしょうが」

 要に文句を言いながら、外に出たところで、家政婦らしい女にあった。

 年配のふっくらとした、見ているだけで、落ち着くような女だ。

 だが、彼女は、こちらを見て、表情を強張らせた。