憑代の柩

「可愛い息子をとろうとしてる嫁だから?」

 我ながら、半信半疑の口調で言うと、

「だったら、この世の姑全部が殺人鬼ってことになるだろ。

 まあ、やりかねない人だが」
と言いながら、衛はソファに腰を下ろした。

「教会の爆破も実は、母が犯人かもと思っていたんだが。

 病院に行ったら、本当に意識のないままだったからな」

「え?」

「動機はあっても、あの人に、そんな真似は出来ないんだ。

 たいした異常もないのに、植物状態でな。

 要も首を傾げている」

「要先生が診てらっしゃるんですか?」

「お前が居た、あの病棟に居るからな」

「……失礼ですが。

 すべての可能性を潰すために言わせていただきますが。

 植物状態ってのは、ほんとなんですか?

 動けなくても、爆弾を仕掛けることは出来ますよね。

 指示することは出来るから」

「意識がないというのは、嘘だと?

 こういうときのために、自分が疑われないよう植物状態のふりをしたり――

 なんてほど、頭は回らないぞ、うちの親は」