「白雪姫、今日の晩ご飯、シチューがいい!」

「はいはい」

「白雪姫、今日夕方から雨が降るらしいから、それまでに洗濯物を中に入れるんだぞ」

「ほいほい」

「白雪姫、オレの部屋の掃除…」

「それは自分でやりなさい!」


怖い継母から命を狙われ、狩猟によって森へ捨てられた私。

家事全般をすることを条件に、ここ、七人のこびとの家に匿ってもらっている。


しかし、だ。


「いい加減ずうずうしいのよ! 自分の部屋の掃除くらい自分でしなさい!」


このこびと達、どうやら、家の面倒くさいことを、全部私がやってくれると勘違いしているらしい。


「そうだよ。自分でできることは自分でしようよ」


この、翠(スイ)くんたった一人を除いて。


「ごめんね、白雪姫。うちのこびとが」


眉を下げて、翠くんは謝る。


「ううん、翠くんはあやまることないよ」


私は顔を横に振った。