ふたつあるうちの東側のビルの入口からエスカレーターで2階へ行き、展望料金を払う。

中高生は700円だけど、私も真尋も大人びて見えてしまうし、聞かれても学生証なんて持ってきているはずもないので、何も言わずに千円札を2枚、カートンに乗せた。

どうせ、お金なんて数日後には何の意味も持たなくなるんだから。


入場券を受け取ってから西側へ繋がる通路を歩き、38階直通のエレベーターに乗り込む。


「流石に人多いな」

「みんな考えること同じなのかもね」


エレベーターが天国へと近付いていくにつれてふわり、と浮いたような感覚を覚えながらも、私達は38階のフロアに立った。

そこから、39階へと続く、青く照らされたエスカレーターに乗り込む。


「すごい……」


ガラス張りにされたそこからの景色は、一言では表せない程の絶景。

下ばかりを見て、そろそろ首が痛くなってきた頃に39階へと降り立った。