それを愛と呼ぶのなら

配布場所から少し行き、灯籠を流すスターポケットに着く。

19時半の点灯時間まで、あともう少しだ。


「受付で点灯だろ?こっち来てよかったのかよ」

「うん。適当に座って時間潰してればすぐだろうし」

「ならいいけど」


近くにある運よく空いていたベンチに並んで腰掛けた。


高校生や大学生も少なくないけど……女の子の大抵は一度は真尋に視線を向ける。

ルックス、間違いなく百点満点だもんなぁ……。

そんな真尋の父親って……お母さんの不倫相手って、どんな人なんだろう。

その人が選んだのは、どうして既婚者のお母さんだったんだろう……。


「……何考えてんの、お前」

「へっ?」

「眉間、皺寄っててブサイク」


自分の眉と眉の間を指差して、もともと仏頂面の顔を更に険しくさせた真尋。

思わず、ブハッと吹き出してしまう。


「中々おもしろいわよ、その顔。ザ・硬派って感じ」

「……なんだそれ」

「何も間違ってないじゃない」