それを愛と呼ぶのなら

「ガキかよ」


ガキじゃないわよ、と言いつつも、口元の緩みを抑えることが出来ない。

空に星は見えないかもしれないけど、観覧車に乗ればきっと眼下に輝きが広がる。

そういう七夕もありなんじゃないかって思うのよ。


「早く夜になんないかな」

「気が早えーよ」


くしゃくしゃっと私の頭を撫でた真尋は、私よりも先に科学館の外に出た。




それからふたりで駅へと戻り、地下鉄に乗って大阪駅へと着いた。

尤も、地下鉄の駅名は梅田なんだけど。


「どこ行こっか?」

「んー。つっても、どこに何があるのかよくわかんねぇな」

「地下だと尚更じゃない?」

「そうだな。一旦上がるか」


頭上に表示されている案内図を頼りに、何とか地上に出る。

行き交う人々に推されそうになりながら、私達は現在地を確認した。


「HEPってビルに観覧車があるのね」

「色んな店が入ってるみたいだな。買い物がてら、行くか」

「うん」