1週間。それは、私達が定めたタイムリミット。

東京を飛び出した私達は、真尋が契約してくれたウィークリーマンションで7日間を過ごすことに決めたの。

この世界を壊すまでの、最後の1週間を。


「……ベッド、ひとつしかねえな」

「あ、ほんとだ」

「3人まで入居可能って書いてたんだけど」


ふと真尋が呟いた言葉通り、1Kの部屋にひとつしかないベッド。

雑魚寝をしようにも、そのスペースを確保出来る程の広さはなかった。


「別に、一緒に寝ればいいんじゃない?何が起こるわけでもないんだし」

「そうだな」


こういう時、相手が真尋でよかったと思う。

普通の男ならきっとまた答えは違うんだろうけど、真尋は迷いなくそれを受け入れた。

冷めた私に、彼はよく似ている。


「取り敢えず、荷物はクローゼットにでも押し込んどく?」

「それがいい。場所とるし」


ふたりのキャリーバッグを、ソファーの後ろにあるクローゼットに入れる。

ずっと引いていた荷物がなくなり、手持ち無沙汰になった私は、どうすればいいのかわからなくて辺りを見回す。

テレビやソファー、テーブル。普通の家と、何ら変わりない。