矢継ぎ早に投げかけた言葉で、自分の中にバリケードを張る。

これ以上、想いが溢れてこないように。


普通でいるから。今まで通りの私でいるから。

だからねぇ、真尋。

そんな顔、しないでってば……。


「……俺、今日は外で泊まる」

「……なん、で?」


拒まないでよ。

もう、余計なことしないから。

傍にいてよ。

それ以上は望まないから。


「……明日、戻ってくる」


立ち上がった真尋はそれだけ言い残し、マンションを出ていった。

真尋の熱を失った部屋は異様に冷たくなった気がして、私は肩を震わせて、泣いた。