「……関係ないわよ」


唇を離して、だけど今にも触れそうな距離で、真尋をきつく睨みつける。

このまま、この人を壊してしまえたらいいのに。

そしたら、両腕で力一杯抱きしめて、寄り添ってあげられるのに。


「関係ないけど、気になっちゃうんだからしょうがないでしょ!?」


腹が立つのよ。腹が立って、苦しいの。

自分のこと、もっと大切にしてよ。

私の大切なあんた自身を、もっと大切にしてよ……。


「いつも人のことばかりで、自分のことは後回しで!そんなあんたが、気になってしょうがな──」


その先に続くはずだった言葉は、再び触れた真尋の唇によって遮られた。

今度は私が、豆鉄砲を食らったような顔になる。