ありがとう、王泉くん。
あたしなんかに告白してくれて。
ありがとう。
「ずっと、好きだった」
最後にそう囁いた王泉くんのことを、あたしはきっと一生忘れない。
泣きそうになるのをこらえて笑ってくれた王泉くんの優しさを、あたしはずっと忘れない。
「ありがとう……ありがとうっ」
涙が溢れてきて、グッと堪えた。
あたしが泣いちゃいけない。
あたしが泣いちゃ、ダメなんだ。
王泉くんが泣きたいはずなのに、振ったあたしが泣いたらダメだ。
潤む瞳。
霞んでいく王泉くんの笑顔。
ごめんね、王泉くん。
素敵な王泉くんを振ってでも、
あたしはこの気持ちを変えることはできない。
やっぱりあたしは、桃くんのことが大好きなんだ。
どんなにいい人に告白されても、これからどんなにかっこいい人と出会っても、
あたしのこの想いを上書きすることはできない。
桃くんへの“スキ”は、募っていくばかりなんだ。



