すぐに私達はお店に入り、窓際にある白いテーブルクロスのひいてあるガラスの机に案内された。私たちはすぐ席にだらしなく座った。
私は私たちを案内した店員に、「すみません」と声をかけ、ジュース2本を注文。
店員が戻っていくのを見たあと、周りを見渡した。
いい雰囲気だ。静かで、穏やかで。
外が綺麗で。
「学!外綺麗だね!」
私は彼を下の名前で呼んでいる。
彼は私をなかなか下の名前で呼んでくれない。
何度も何度も下の名前で呼んで?って言ってるのに下の名前で私を呼んでくれない。
呼べよ。
そんぐらいいいだろ。
「そうだな」
学はいつもこんな感じだ。
反応が薄い。
なんでこんな綺麗な店に行きたいなんて言ってたんだよ。
私が彼に話しかけようとすると彼から話しかけてきた。
「ここのお店、飯が上手いって有名だから。前から行きたかったんだ」
なるほど。食べ物目当てか。
私が彼の入部している陸上部での面白い出来事を聞いていると、店員がジュース2本を届けてくれた。
私は店員に向かって
「ありがとうございます」
と言った。言ったあと店のメニューを見ている彼を見たが、やはり彼は、ありがとう。を言わない。
言えよ。
そんぐらい言えるだろ。
私はしばらく彼を睨めつけてから届いたジュースを一気のみした。メニューに目を向け、私はすぐに注文するものを決めた。
普通逆でしょ。
彼がなかなか決めてくれない。
はやくしろよ。
「はやくーはやくー」
私は右手にナイフを、左手にフォークを握って机をコツコツと叩き、私は彼に催促をした。
彼は私にしっかりと目を合わせてこう言った。
「ウザい」
私は思った。
死ね。
彼はジュースを少し飲み、メニューを少しの時間見ると、立ち上がった。
「お手洗い?」
私は聞いた。
「なんでそんなこと聞くんだよ。」
そう答えるとお手洗いに向かって彼は歩きだした。
彼がお手伝いに入っていくのを見て、視線を机に戻すと、
机の上には彼のケータイが置いてあった。