「ぉ、おい」



彼が泣きながら心配して駆け寄ってきた。



彼の涙はきっと別れる一言を言ってしまったことへの後悔の気持ちからきたものだろう。



彼も思っていた。



「おい!しっかりしろ!」



別れたくないって



彼はそう言いながら自分の服を包帯の代わりにし、お腹から出続ける水を必死に止めようとしてくれた。



この光景どこかで見たことがある。




そうだ。思い出した。



夏祭りの時だ。食べ歩きしてたら小さな段差につまづいて転んでしまった。


「おい!しっかりしろ!」


彼は私が大丈夫1人で歩けるからと言っているにも関わらず、私をおぶって水道の所まで運んでくれた。



私は擦りむいた左膝と左肘を、水で洗い流すと、彼は私が持っていたばんそうこうを左膝と左肘に貼り付けた。



彼は「よっし、お前一人で歩けるって言ってたよな。次どこ行く?」とか言い出した。



言った。確かに言ったけど、それはその場の流れっていうか、言わなきゃいけない大丈夫っていうか。



私はごめん無理だ。痛くて歩けない。と答えた。



「なんでお前。目を覚まさねーんだよ!!」


私はまだ遊び足りない。だけど、痛い。くやしい。自分がなさけない。



彼は「そっか」と小さな声で答えると、彼は私をまたおぶってくれた。



「じゃあ花火が綺麗に見られる場所を一緒に探そう!」と言ってくれた。







探してくる。じゃ無かったことが。








一緒に探そう。と言ってくれたことが。






私は







とても嬉しかった。















ブチッ