そんなある日


放課後、誰かに呼び出された


机の中に『放課後、屋上に来てください』と綺麗な字で書いてある紙が入っていたのだ


名前は書いてなかったため誰だか分からない




何段もある階段をやっとのことで上り、屋上のドアを開けた


「え?…」


そこには後ろの席の立花 秀也(たちばな しゅうや)くんがいた


「秀也くん?…」


秀也くんに呼び出される覚えがない


「愛夢…」


私に気付き、笑顔を向けてくる




「来てくれてありがとう」



「ううん、それはいいんだけど…何か用??」


秀也くんの笑顔が少し変わった



…見ているこっちが切なくなるような悲しい笑顔



「愛夢…ずっと前から好きなんだ」


え…


「同じクラスになった時から…ずっと」



突然のことに頭がついていかない


だって秀也くんは、バスケ部のエースで颯に負けないくらいモテるんだよ?


優しいしカッコイイし…




でも、一つだけハッキリしていることがある



「嬉しいけど…ごめん、私は」
「知ってるよ」



「…え…なに、を…」



何を知ってるって言うの?



「篠塚 颯が好きなんでしょ?…知ってる」



「っ…」



なん、で…顔には出してない…はず…



「分かるよ…だって愛夢のことが好きだから」



心を読んでいるかのような返答が返ってくる