・・・どのくらいの時間がたったのだろう
頭で考えることに必死で、声が出せなかった
正しく言うと・・・何から言っていいのかわからない
言いたいこと、聞きたいことは沢山あるのに、言葉が出てこない
沈黙を破ったのは颯だった
「・・・・・・ごめん。聞かなかったことにしてくれていいから・・・」
そう言って歩き出してしまう
「っ・・・」
違う、違うの!
待ってよ、颯!!
言いたいことがありすぎて何を言っていいのか分からない
でも今言わなかったら、颯が行ってしまう
「っ・・・くせに・・・」
「え?」
颯が振り返った
「いつもは強引なくせに・・・っ、・・・遅いよ!バカッ!!・・・っ」
言いたいことはたくさんあったはずなのに、この言葉しか出て来なくて・・・
自分の頬に涙が伝うのがわかった



