何も言わず、そっと桃矢の頬に手を伸ばしてみた。
熱い……。
焼けそうだよ。
じっと見つめ合っているだけなのに、わたしたちだけ別の世界にいるみたい。
きっとこういう感覚を『君しか見えない』と、言うんだと思った。
大好きなマンガのセリフが今になって蘇る。
あのときは王子様から言われたいセリフのはずだったのに、今は自分から言ってしまいそう。
最近目の調子が悪いんだ。
キミと出会ってから……キミを好きになって桃矢しか見れないよ。
もし、もう一度キスをしたら。
もし、わたしからキスをしたら。
桃矢もわたしだけをみてくれるかな。
そうなったらーーーー。
「……期待、しちゃいますよ」
「え、」



