それから数日後の夜。
札幌に戻った美月姫の電話に、父親からの着信があった。
(何だろう、いきなり)
父親からの電話は極めて稀だ。
日常生活に関する連絡は、大部分が母親からかかってくるはずなのに、今回は一体?
「は? お見合い?」
父親の突然の言葉を美月姫は理解できず、最初は聞き間違いかと思ったほどだ。
「そうなんだ。ちょっと会ってみるだけでも……。時間を作ってくれないか」
お見合いのためにまた、札幌から250キロ離れた故郷函館に戻らねばならない。
先日夏祭りの手伝いに帰省したばかりなのに。
「冗談でしょ」
それより何より、いきなりのお見合い話に美月姫は戸惑いを隠せない。
「いや。会社の上層部からの、直々のお話しで」
父親の声からして、ふざけているわけではなさそうだ。
「なに言ってるのお父さん。私まだ19だよ」
「それは先方も、重々承知の上で、だ」
札幌に戻った美月姫の電話に、父親からの着信があった。
(何だろう、いきなり)
父親からの電話は極めて稀だ。
日常生活に関する連絡は、大部分が母親からかかってくるはずなのに、今回は一体?
「は? お見合い?」
父親の突然の言葉を美月姫は理解できず、最初は聞き間違いかと思ったほどだ。
「そうなんだ。ちょっと会ってみるだけでも……。時間を作ってくれないか」
お見合いのためにまた、札幌から250キロ離れた故郷函館に戻らねばならない。
先日夏祭りの手伝いに帰省したばかりなのに。
「冗談でしょ」
それより何より、いきなりのお見合い話に美月姫は戸惑いを隠せない。
「いや。会社の上層部からの、直々のお話しで」
父親の声からして、ふざけているわけではなさそうだ。
「なに言ってるのお父さん。私まだ19だよ」
「それは先方も、重々承知の上で、だ」